小・中・高における国語授業の改革 文学作品・説明的文章を読む方法 -構成・構造、形象・論理、吟味・批評- の追究 「読み」の授業研究会

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≪ 報告≫ 第29回「読み」研冬の研究会(2014・12・25〜26)

            全国から70名の参加で、熱心で意欲的な研究協議が展開されました

 第29回「読み」の授業研究会・冬の研究会が2014年12月25日(木)〜26日(金)の二日間にわたって名古屋市・日本福祉大学名古屋キャンパスを会場に開催されました。テーマは「授業で子どもたちにぜひ身につけさせたい『国語の力』を解明する―教科内容の体系性と系統性を再構築」でした。「吟味よみ」「教科内容の系統性」など、近年「読み」研が意欲的に追究してきた課題です。全国から70名ほどの小・中・高の先生方、大学などの研究者に参加していただきました。どうもありがとうございました。「読み」研のこの一年間の研究と実践の成果が提案され、大変熱心で意欲的な研究協議が展開されました。 以下にその内容の概略と参加者の声を紹介いたします。          

(1)読み研入門講座―物語・小説    (永橋 和行)

入門講座では、永橋和行さんが「物語・小説の授業づくり入門」と題して、提案しました。参加者の興味をひいていたのは、クライマックスに着目することで、物語の構造を把握し、その後、どこに目をつけて読み取っていけばよいのかめやす(線引きのポイント)を明らかにしていくということでした。教材「大造じいさんとガン」を使って、具体的に説明されており大変わかりやすい講座でした。 

【参加者の声】
 ☆読み研のことを理解し、定着するために良かった。
 ☆「大造じいさんとガン」の吟味よみで導入部分をあるのとないので比べて読ませて、どちらがいいのか問うことはなるほどと思った。
 ☆クライマックスを決めて、形象よみをすることの意味がわかりました。次に物語文を学習する時のために、言葉や次に何を考えていくのかを子どもに意識させて授業していきたいと思いました。



(2)研究1 PISA・「B問題」を意識した説明的文章の「吟味よみ」の教科内容・徹底追究
   「日本の夏、ヨーロッパの夏」「君は「最後の晩餐」を知っているか」
       (福岡・八女サークル)

 福岡の八女サークルの提案は、説明的文章の「吟味よみ」の教科内容を追究するものでした。近年、学力問題で取り上げられている、PISA(OECD学習到達度調査)の「読解力」の問題や全国学力学習状況調査の「B問題」を実際に参加者で解いてみることで、「読み」研方式でも、読めることが確かめられました。その際、八女サークルでは、説明的文章教材で身につけさせる力として、以下の3点をあげていました。①構成・構造をとらえる力 ②論理関係をとらえる力 ③吟味・評価・批判する力 これらはいずれも「読み」研で追究してきたものでした。読みの力がつけば、PISAにも「B問題」にも対応できるのです。その後実際に、教材「日本の夏、ヨーロッパの夏」、「君は『最後の晩餐』を知っているか」を使って、「吟味よみ」を確かめていきました。説明文によくある気温や雨量などのグラフがはたして情報の選択として妥当なのか、文章にあいまいな点はないかなどを吟味しました。ともに「吟味よみ」に適した教材であり、よく理解できるものでした。

【参加者の声】
 ☆実際の授業を受けて、意見を出し合い、グループワークを体感できることがとても身になりました。
 ☆「B問題」「PISA」を実際に解いてみて、読み研方式のすぐれた点がよくわかった。文章に即してその場のだれもが納得いく、文関係のねじれや問いに対する答えがないなどの吟味が必要だと感じた。



(3)研究2 物語・小説の入門期の教科内容の系統性を解明する 
   「たぬきの糸車」「スイミー」「お手紙」「モチモチの木」
        (秋田サークル)

 秋田サークルの提案は、入門期の教科内容の系統性を追究したものでした。物語・小説の「構成・構造」に関する教科内容の系統性について、「クライマックス」などの用語を低中高学年でどのように導入していくか、どの学年で扱い、定着させていくのかを表にした試案は参加者に驚きをもって受け入れられていました。今後その表をもとにして、実践的に確かめていけるような内容でした。教材「モチモチの木」、「三年とうげ」、「たぬきの糸車」、「スイミー」、「大造じいさんとガン」、「カレーライス」などを使って、具体的に確かめていきました。「スイミー」のクライマックスを読み取ることは、それまでの形象とのつながりを読んでいくことが明らかになりました。また、「モチモチの木」のクライマックスを読み取ることで、発端からつながっていることや、豆太自身は変化していなくて豆太とモチモチの木との関係性が変化したことなどが読めていきました。充実した提案でした。


【参加者の声】
 ☆系統表がとてもわかりやすかったです。中学・高校の物語教材と照らし合わせてみたいと思います。
 ☆丁寧に整理された具体的な提案で、今何を押さえるべきか分かりやすいと思った。スイミーで実践したいと思います。
 ☆模擬授業をしたことにより意見交流ができたのがよかった。資料も詳しくてわかりやすかった。3学期に使いたいと思った。



(4)講演と討論的対談                    
講演 授業で子どもたちに身につけさせる「国語の力」の正体
―国語科の教科内容の体系性と系統性
       ・講師 阿部 昇(読み研代表・秋田大学)
       ・討論的対談 阿部 昇⇔加藤郁夫(読み研事務局長・立命館宇治中学高校

 阿部昇さんの講演と加藤郁夫さんとの討論的対談では、「国語の力」の正体を追究していきました。国語教育の歴史を振り返りながら、これから必要とされる学力が日本国憲法につながる考え方であることを明らかにし、国語科の教科内容を追究する視点を示していました。「読む力」「書く力」「聞く力」「話す力」などはもちろん、比喩、体言止め、倒置、プロットとストーリーなどの例も示されました。教材「形」でストーリー上10年の物語がプロットでは15行で書かれ、一瞬の出来事が14行で書かれているという指摘は大変分かりやすいものでした。対談では、学校をあげた共同研究のあり方を問題提起していました。子どもの姿を指導案に書き込むなどの工夫が示されました。

【参加者の声】
 ☆読み研とは何か。基本原理から歴史まで間近でお話を聞くことができて勉強になりました。
 ☆プロットとストーリーの違いを時間軸でみていくことがおもしろかった。
 ☆共同して取り組むことの重要性を感じました。
 ☆いつも刺激的な講演と対談を聞かせていただいているなと思います。
 ☆濃いところはすごく引き込まれた。対談は現場に近くて、宙に浮いたものでなかったので、参考になった。いつもよりとても良かった。

≪ 報告≫ 第29回「読み」研冬の研究会(2014・12・25〜26)

 第29回「読み」の授業研究会・冬の研究会が2014年12月25日(木)〜26日(金)の二日間にわたって名古屋市・日本福祉大学名古屋キャンパスを会場に開催されました。テーマは「授業で子どもたちにぜひ身につけさせたい『国語の力』を解明する―教科内容の体系性と系統性を再構築」でした。「吟味よみ」「教科内容の系統性」など、近年「読み」研が意欲的に追究してきた課題です。全国から70名ほどの小・中・高の先生方、大学などの研究者に参加していただきました。どうもありがとうございました。「読み」研のこの一年間の研究と実践の成果が提案され、大変熱心で

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