小・中・高における国語授業の改革 文学作品・説明的文章を読む方法 -構成・構造、形象・論理、吟味・批評- の追究 「読み」の授業研究会

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実践をどうつくりだしていくのか - 若い教師への実践のアドバイス -

小林信次

実践をどうつくりだしていくのか
― 若い教師への実践のアドバイス ― 
             小林信次(元日本福祉大学)

今、「主体的・対話的で深い学び」をどう実現するかということが課題になっています。国語においても、主体的で、対話的な学びをつくりだすためには、なんといっても学級が「学び合える集団である」ということが大事だと思います。しかし、今若い教師で、学級づくりがどうもうまくいかないという状況もあります。そこで、その基本となるよりどころを「若い教師へのアドバイス」として提案したいと思います。
 
 実践の構想  ― ゆとりのある学級づくりを ―

 最近は、若い教師もベテラン教師も学級づくりがなかなかうまくいかないと聞きます。私は、アドバイスとして、「ゆとりのある学級づくり」のために四つの提案をします。

(1)ゆとりのある学級づくり
 笑顔と笑いのあるゆとりのあるクラスにしていきたいです。ときどきは、全員が馬鹿笑いができるようにしたいです。もちろん怒ったり、泣いたりすることがあってもいいし、堅くならいで「笑い」のあるクラスにしたいものです。教師のゆとりが「笑顔」をつくるし、子どもが解放されると笑いや喜びになっていきます。

◇ 教師の記録が心のゆとりをつくりだす
 毎日、心身のリフレッシュが必要です。一日が「楽しくないな」「おもしろくないな」という感じで終わる時があると思います。また、毎朝「疲れが残っている」「やる気がでない」という方もみえるかもしれません。
 運動会や学習発表会などの行事をひかえているところは、どうのりきろうかとずっと思いめぐらしてみえるかもしれません。
教師は、日々の実践から離れられません。少しでも、ゆとりを作り出したいです。そのため、記録を取ることをやってほしいです。朝の職員の打ち合わせの記録ではないものです。
自分の実践の記録です。何でもいいから、ちょっとしたメモをすることです。例えば「○○さんにこういうふうに対処しよう」とか「2班の子にはこんなことをやらせてみよう」「この教材はここのところがポイント」とか。とりあえず事実の記録とどうしていくのかという構想のメモを残すことをはじめてみたらとどうでしょう。何らかのメモは今までにも取ってみえると思いますが、一週間、二週間ぐらいたったところでそのメモを見直すことをお奨めしたいです。
 「うまくいったこと」と「まだやれてないこと」を区別してみることです。実践記録を書くことで、分析ができていきます。忙しいときこそ分析が必要だと思います。それを基に他の教師と話し合ってみると、きっと実践が切り開かれていくでしょう。国語の授業記録もぜひとって分析してほしいです。

(2)グループ活動とリーダーの指導
グループの活動を基に生き生きしたクラスにしていきたいものです。どうしても、個別の対応では限界があります。
 学習をグループでやっていくと活発な授業になります。そして、グループの活動場面では、リーダーの指導が大事になってきます。学習場面でのリーダーをどういうふうに活動させていくのかを考えてみましょう。
 教師は、リーダーに対して、どんなことを教えたらいいのでしょうか。
「全員の意見を聞き出すようにしなさい」「意見が分かれたときは、無理にまとめないこと」「グループの代表として発言しなさい」といったことと援助していったらどうでしょうか。グループ全員で発表する段階では、「分担して発表しなさい」といったような援助をしていきます。
 授業で「小グループ」をとりいれていき、教師と共にリーダーには、「まちがった子」「遅れがちな子」に対しても援助する時間をとることです。
 そして、「わかるように、教えられる子がリーダーだよ」と助言していきます。また、リーダーを交代させながら、助け合っていき、共同して学習が進むようにしていきたいものです。教師とリーダーでクラスのことをいっしょに考えいけるクラスをつくり出せると余裕も生まれてきます。

(3)集団遊びをやろう
 学級の文化活動というと演劇、詩・俳句づくり、新聞作りなど考えられます。クラスに応じて子どもたちが集中して継続的にとりくめるものがいいでしょう。そのクラスの子どもの興味や関心をもてるものからはじめたらどうでしょう。
 若い教師にまず勧めたいのは、集団遊びです。体育の授業でも楽しめるゲームです。授業の始めか終わりの時間を使って、毎回やれるようなゲームをします。
「集団ゲーム」「リレーゲーム」「大縄まわし」などを継続してやっていきます。「王様ドッジボール」などもチームをさまざま変えながらやっていくと楽しめるものです。
 誰でも手軽にやれる「遊び」があります。ぜひ、そのクラスに合う遊びを探ってほしいです。
 教師の多くが、子どもと遊ぶ時間をなくしてきています。教師が子どもと一緒に遊びまわる姿が見られなくなってきています。いっしょに遊んで「子どもとの一体感」をもってほしいです。もちろん子どもの企画による、「遊び・ゲーム大会」もいいでしょう。一体感がゆとりと喜びを持たせてくれます。そして、ユーモアと笑いのあるクラスにしていってほしいです。

(4)父母の参加をつくりだす
 教師の悩みの一つとしてよく聞くのが「父母とのトラブル」です。父母と「敵対関係」になってしま事例も多いです。
 どういう視点で父母との関係をつくつていけばいいのかまとめてみました。

◇父母との相違点は、子どもの事実を確認し、知り合うことから出発します。どうしても父母には、学校の子どもの様子が見えにくくなっているので何らかの方法で知らせていきます。教師も家庭での生活の様子をつかむことです。

◇教師と親の関係を上下関係にしないで、対等平等の関係として見ていきたいものです。「どうせ○○の家はダメだから」という見方では共同的な立場は築き出せないでしょう。

◇トラブルになり、衝突しそうなときは、教師集団の力をかります。

◇父母・地域のもっている力をかりる。
父母との対応を「うまく処理する」という考えではなくて知恵を借りて、いっしょに子どものことを考えて育てていくという姿勢が基本です。また、父母や地域の方とできるだけ、いっしょにやれるものを企画していきます。父母と遊ぶ会とか、何かを「作る会」から出発することもあるでしょう。母親や父親や地域の方の知恵やエネルギーを借りて共同して進める視点を持っていきたいと思います。失敗もあるでしょうが一つのスタートがゆとりと自信を作っていくでしょう。

〈 若い教師への5つのアドバイス 〉
私は、若い教師に向けて、次のようなことを伝えたいと思っています。
 若い教師へのメッセージ   ー 5つの提言 ー

(1)プロとしての構え
子ども達に近い年齢です。若さを生かして前向きに実践していきましょう。失敗は誰にでもあります。くじけずに乗り越えていきましょう。しかし、若いからといっても必ずしも、子どもを真に理解できとは限りません。子どもと信頼関係を築けるためには、子どもに本当に目が向いているのかということで決まります。
子どもをどうとらえていくのか、大事なのは子どもの内面の葛藤や心の内側に秘めたものをどう掴んでいくのかです。 プロ教師としての自覚をつけていきたいものです。方法・技術を蓄積するためにも、研究会・サークルに出かけていってプロとしての力を磨いていって欲しいです。私は、「読み研」でも、多くを学んできました。

(2)学ぶという姿勢
「教える」という仕事のもつ意味は、指導する力があるということですが。全て教え込むというより子どもにも学ぶという姿勢が必要だと考えます。子どもを甘やかしてつけ込まれてはいけないということで、強い指導、きびしい指導を求められるかもしれませんが、子どもにも生活と権利があるということを基本においてみたいものです。「困る子」は、やっぱり「困っている子」です。その子の本質、背景をつかみ、手順を追って対話的な指導を積み上げていってほしいです。私の場合 他の教師の実践を研究会で学び、授業や学級づくりの実践報告を積み重ねてきたから子どもと共につくっていく姿勢ができてきたと思っています。「読み研」には、国語の読みの指導だけなく、「主体的、対話的な学び」の基本となる学習集団をどうしていくのかという視点があり、大いに学んでほしいです。

(3)どんな学校でも
いくつかの学校で教師をやっていく可能性があります。それぞれの学校の共通点と違いを掴んで実践を進めていきます。どの学校でも、どの学級でも通じるような学級づくり、授業づくりが求められていきます。 若い教師のうちに広く深く学んでおきたいものです。私の場合、うまくいかない実践もありましたが、徐々に、どんな学校・学級でも通用する力を身につけてきました。 そこで、いいクラスの場合も荒れたクラスの場合でも対応する力を身につけてきました。 私の場合は、「うまくいかないと思ったクラス」をどう克服してきたのかが教訓になっています。

(4)市民・地域の中へ
教師として一人で実践する場合と集団として実践していく場合が常にあります。学年とか教科部会とか、あるいは全校とかで仕事を進めていくことがあります。私の場合、教師集団での積み上げは、どの学校でも築き上げてきました。他の教師の持ち味をつかみ交流していくことが基本だと思います。
 しかし、同僚としても縛られすぎると行動の幅が狭くなる場合があります。父母・地域・市民の中の教師としてどうなのかを考えて、学校だけに縛られた学校の側からだけで見つめる教師にならないということです。
子どもは父母・家庭の支えの中で生きています。地域や広いつながりの中で生きています。できるだけ市民・地域の中に入って学ぶという姿勢も必要だと思います。地域の方々との交流も機会があれば積極的につくっていくのもいいでしょう。外の世界にも飛び出す教師になってほしいです。

(5)一人で抱え込まないで
教師の仕事は、国家的事業でもあります。広い意味での人生をかけていい仕事だと思います。広い意味での教養や知識が求められます。私の場合は、小説や詩の創作活動も役だったと思っています。趣味を教育実践に生かしていけるようにしたいです。私は、自分の才能を確かめることもあって、市民団体の芸術活動や演劇に、関わってきました。
 東北大震災や原発などの社会に視野をもった姿勢が実践を豊かにしていくと思います。
 教師という仕事の中で気力、体力が萎えたり病気になったりした場合、一人で抱え込まないで周りの人に助けを求めてほしいと思います。また 重い病気をしてまで教師を続けるのか判断してほしいです。「自分が生かされる人生」という視点で考えてほしいと思います。

実践をどうつくりだしていくのか - 若い教師への実践のアドバイス -

実践をどうつくりだしていくのか
― 若い教師への実践のアドバイス ― 
             小林信次(元日本福祉大学)

今、「主体的・対話的で深い学び」をどう実現するかということが課題になっています。国語においても、主体的で、対話的な学びをつくりだすためには、なんといっても学級が「学び合える集団である」ということが大事だと思います。しかし、今若い教師で、学級づくりがどうもうまくいかないという状況もあります。そこで、その基本となるよりどころを「若い教師へのアドバイス」とし

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