小・中・高における国語授業の改革 文学作品・説明的文章を読む方法 -構成・構造、形象・論理、吟味・批評- の追究 「読み」の授業研究会

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国語授業の改革

国語授業の改革5

国語科 小学校・中学校 新教材の徹底研究と授業づくり

はじめに
 残念なことですが、ここのところ「読むこと」の指導が不当に軽視されてきたようです。その上、一部には「詳細な読解」指導は、忌避すべきことであるかのような風潮さえあったと聞きます。
 「書くこと」そして「話すこと・聞くこと」の指導は、もちろん国語の授業の中にしっかりと位置づけられるべきです。しかし、だからと言って「読むこと」の指導が軽視されていいはずはありません。そして、「読むこと」分野では、一方で読書指導など多読を重視しっつも、一方では丁寧で詳細な読解指導を大切にしていくことが必要です。このまま「読むこと」の指導を軽視するようなことが続けば、また詳細な読解を忌避するような傾向が続けば、子どもたちの国語力全体が間違いなく低下していきます。
 私たちは、これまで「読むこと」の指導に関して、二つのことを重視しながら研究を進めてきました。一つは、今まで曖昧であった国語科の教科内容を、具体的にそして体系的に解明することです。もう一つは、その教科内容を子どもたちに系統的に身につけさせていくための確かな指導方法を解明することです。そこには、教材研究の方法という課題も含まれています。そして、いずれについても一定の成果を上げ、国語教育界にそれなりの問題提起をすることができてきたと自負しています。
 平成一七年度から小学校の国語の教科書が新しくなりました。中学校は平成一八年度から新しくなります。それらの国語教科書には、かなりの数の注目すべき新教材が登場しています。手引きも新しい形のものが出てきました。それらを、右の二つの観点(教科内容と指導方法の解明)から、丁寧に分析・検討をしました。新しい教材を授業で有効に生かしていくためのヒントや切り口も、具体的にそして多様に示しました。
 多くの先生方、研究者の方々に読んでいただき、ご意見・ご批判をいただきたいと考えています。
  
   2005年8月       読み研事務局長 阿部 昇(秋田大学)

〈目 次〉

特集 国語科小学校・中学校 新教材の徹底研究と授業づくり

1 国語科新教科書を「国語の力」という観点から点検する
  一七年度版小学校・一八年度版中学校の「学習の手引き」に着目する【阿部 昇】
2 「選ぶ」学習と「つなぐ」指導【上谷順三郎】
3 物語「カレーライス」(重松 清・光村図書・小学校六年)【柳田良雄】
4 物語「わにのおじいさんのたから物」(川崎 洋・学校図書・小学校三年)【臺野芳孝】
5 物語「ひつこして きた みさ」(あんどうみきお・教育出版・小学校二年)【永橋和行】
6 説明的文章「言葉の意味を追って」(東京書籍・小学校六年)【岩崎成寿】
7 説明的文章「サクラソウとトラマルハナバチ」(鷺谷いづみ・光村図書・小学校五年)【加藤郁夫】
8 メディア教材「ニュース番組作りの現場から」(清水建宇)+「工夫して発信しよう」(光村図書・小学校五年)【石井 淳】
9 小説「盆土産」(三浦哲郎・光村図書・中学校二年)【丸山義昭】
10 小説「ウミガメと少年」(野坂昭如・教育出版・中学校三年)【杉山明信】
11 説明的文章「文化を伝えるチンパンジー」(松沢哲郎・光村図書・中学校二年)【高橋喜代治】

「確かな学力」を保証するスポット実践

1 国語の授業で「大喜利」をしよう!──言葉遊びの世界【鈴野高志】
2 擬声語・擬態語の豊かさを実感させる──音やようすをあらわす言葉【佐藤建男】
3 学習ゲームで接続語の楽しさを学ぶ──文と文をつなぐ言葉【平野博通】
4 言葉を比べさせながら語彙力の向上をめざす──分類【五十嵐淳】
5 漢字の成り立ちを通して漢字のおもしろさを教える【長畑龍介】
6 相手の立場に立って文章を書こう──文道あんないをしよう【本山智子】
7 新聞づくりで書く力を育てる──自分新聞を作ろう【加藤辰雄】
8 正確に伝える、正確に聞き取るための工夫──電話で伝え合おう【町田雅弘】

小学校新教材・詩「キリン」(まどみちお)の一時間の全授業記録とその徹底分析

1 小学校教材「キリン」(まど・みちお)の一時問の全授業記録【柳田良雄】
2 授業へのコメント その一──詩を読むための方法を学ばせようという優れた戦略【阿部 昇】
3 授業へのコメント その二──比喩を切り口に焦点化した明快な授業【小林義明】
4 授業者自身のコメント【佐古明夫】

提言・国語科教育の改革

1 国語の授業改革と学習集団【柴田義松】
2 教師の力量形成的観点からの五提案──基本的提案三つと発展的提案二つ【望月善次】
3 「教室の中のことば」のゆくえ【竹内常一】
4 地域言語文化の発見と創造【府川源一郎】
5 「認識の枠組み」としてのことばの力を【加藤憲一】
6 0ECD国際学習到達度調査の結果をどう見るか──「読解力」低下の原因と今後の国語科教育のあり方【鶴田清司】

国語科の「確かな学力」を考えるための読書案内──国語教師のために私が勧めるこの一冊

『問題な日本語』(北原保雄編)【木内 剛】
『科学的な「読み」の授業入門 文学作品編』(読み研運営委員会編)【中村哲也】
『世界がもし一〇〇人の村だったら』(池田香代子再話 C・ダグラス・ラミス対訳)【有働玲子】
『子どものやる気と集中力を引き出す授業30のコツ』(上條晴夫著)【喜岡淳治】
『読むことの教育──高瀬舟、少年の日の思い出』(竹内常一著)【小林信次】
『文学の力×教材のカ』中学校編一年(田中実・須貝千里編)【小倉泰子】
『徹底入門!力をつける「読み」の授業』(阿部昇著)【内藤賢司】
『ホンモノの文章力──自分を売り込む技術』(樋口裕一著)【加納一志】

国語授業の改革5

はじめに
 残念なことですが、ここのところ「読むこと」の指導が不当に軽視されてきたようです。その上、一部には「詳細な読解」指導は、忌避すべきことであるかのような風潮さえあったと聞きます。
 「書くこと」そして「話すこと・聞くこと」の指導は、もちろん国語の授業の中にしっかりと位置づけられるべきです。しかし、だからと言って「読むこと」の指導が軽視されていいはずはありません。そして、「読むこと」分野では、一方で読書指導など多読を重視しっつも、一方では丁寧で詳細な読解指導を大切にしていくことが必要です。このまま「

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