小・中・高における国語授業の改革 文学作品・説明的文章を読む方法 -構成・構造、形象・論理、吟味・批評- の追究 「読み」の授業研究会

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国語授業の改革

国語授業の改革3

この教材で基礎・基本としての言語スキルを身につける──到達度評価を見通した読みの授業

はじめに
「絶対評価」が導入され、多くの学校で少なからぬ混乱が起こっています。こういった混乱を生じさせる文部科学省の一方的なやり方には問題が多いと言わざるをえません。が、一方では絶対評価導入によって、今まで私たちがあいまいにしてきた各教科の教科内容について、全面的な再点検を迫られているとも言えます。特に国語科は、教科内容を最もあいまいにしてきた教科の一つです。この事態をむしろ積極的にとらえ、「絶対評価」を「到達度評価」として捉え直し、この機会に国語科の教科内容を明確にしたいと考えました。
 そこで、『国語授業の改革』第3号は「この教材で基礎・基本としての言語スキルを身につける――到達度評価を見通した読みの授業」というタイトルで編集をしました。教科内容の中でも、特に読みにかかわる「言語スキル」、つまり子どもたちに身に着けさせるべき読むための方法・技術について解明をしていきたいと思います。
今回は、長く小中高に掲載されている教材を取り上げ、それぞれの教材で身につけさせることができる言語スキルを、具体的に提案しました。また、それらのスキルが他の教材にも応用できること、それが子どもたちの国語力として将来生きてくるということを視野に入れつつ、執筆しました。同時にそのスキルを実際に学ばせる場合の発問・助言等も提案し、そこからイメージされる授業展開も示しました。
 また、説明的文章教材「今、地球の大気に」を使って、東京都町田市の永橋和行教諭が授業をしてくれました。それをストップモーション方式で紹介し、望月善次氏・小林信次氏からコメントをいただきました。
「提言・国語科教育の改革」では、今回も著名な研究者にご寄稿いただきました。柴田義松氏・西郷竹彦氏・高木まさき氏・野口芳宏氏・田中実氏・鶴田清司氏です。また、「授業を活性化させる授業の技術とアニマシオン」「国語教師のための『わたしが勧めるこの一冊』」も、中身の濃いものになりました。
多くの先生方、研究者の方々に読んでいただき、改革のうねりを広げていきたいと考えています。
  2003年8月
                  読み研事務局長・秋田大学  阿部 昇

〈目 次〉

1 この教材でこの言語スキルを身につける──到達度評価を見通した読みの授業

1 基礎・基本としての言語スキルを習得させるための方略
   ──国語科の到達目標=評価規準を明らかにする試み(阿部 昇)
2 到達度評価と基礎・基本としての言語スキル(柴田義松)
3 この教材でこの言語スキル身につける‥小学校・物語(1)
 「お手紙」(A・ローベル)〔光村図書2年・教育出版1年他〕(阿部 昇)
4 この教材でこの言語スキルを身につける‥小学校・物語(2)
 「スイミー」(レオ・レオニ)〔光村図書2年〕(加藤辰雄)
5 この教材でこの言語スキルを身につける‥小学校・物語(3)
 「ごんぎつね」(新美南吉)〔光村図書4年・教育出版4年・東京書籍4年他〕(海崎義隆)
6 この教材でこの言語スキルを身につける‥小学校・物語(4)
 「やまなし」(宮沢賢治)〔光村図書6年〕(佐藤建男)
7 この教材でこの言語スキルを身につける‥小学校・説明的文章(1)
 「自然のかくし絵」(矢島稔)〔東京書籍3年〕(柳田良雄)
8 この教材でこの言語スキルを身につける‥小学校・説明的文章(2)
 「外来語と日本文化」(渡辺実)〔光村図書6年〕(丸山義昭)
9 この教材でこの言語スキルを身につける‥中学校・小説(1)
 「少年の日の思い出」(ヘルマン・ヘッセ)〔光村図書1年・教育出版1年他〕(小倉泰子)
10 この教材でこの言語スキルを身につける‥中学校・小説(2)
 「故郷」(魯迅) 〔光村図書3年・教育出版3年三省堂3年他〕(町田雅弘)
11 この教材でこの言語スキルを身につける‥中学校・説明的文章 (1)
 「魚を育てる森」(松永勝彦)〔光村図書1年〕(高橋喜代治)
12 この教材でこの言語スキルを身につける‥中学校・説明的文章(2)
 「ホタルの里づくり」(大場信義)〔三省堂2年〕(杉山明信)
13 この教材でこの言語スキルを身につける‥高校・小説
 「羅生門」(芥川龍之介)〔大修館書店『国語総合』他〕(薄井道正)
14 この教材でこの言語スキルを身につける‥高校説明的文章
 「『である』ことと『する』こと」(丸山真男)〔大修館書店『精選現代文』他〕(岩崎成寿)

2 授業を活性化させる授業の技術とアニマシオン──子どもの目が輝く指導のコツ

1 授業を活性化させる音読指導の技術(臺野芳孝)
2 授業を活性化させる評価・励ましの技術(石井 淳)
3 授業を活性化させるノート指導の技術(五十嵐淳)
4 授業を活性化させる読み聞かせの技術(平野孝子)
5 授業を活性化させるグループ学習の技術(小林義明)
6 読みの深化を喚起する<ダウト>的国語の授業(京野真樹)
6 中学校国語科授業におけるアニマシオン応用プラン(鈴野高志)

3 小学校教材「今、地球の大気に」(小森長生)の1時間の全授業記録とその徹底分析

1 「今、地球の大気に」(小森長生)の1時間の全授業記録(本山智子)
2 授業構造の明確化を望む(望月善次)
3 永檎和行灯の授業「今、地球の大気に」の分析(小林信次)
4 授業者自身のコメント──討論するなかで、真理・真実を見つけ、授業を高めたい(永橋和行)

4 提言・国語科教育の改革

1 形象相関の原理に立って──形象を単位として読む(西郷竹彦)
2 教材が悪いのか、指導法が悪いのか(高木まさき)
3 「指導目標」を廃して「指導事項」の明記を(野口芳宏)
4 「文学教育」復興のために(田中 実)
5 言語技術を軸に<教科内容>や<評価方法>を見直す(鶴田清司)
6 「追求方式」は文学作品の読みを細らせる(加藤郁夫)

5 国語教師のための「わたしが勧めるこの一冊」──教材研究・言語スキル編 

小西甚一著『日本文学史』(井関義久)
大西忠治著『国語の授業典型とは何か』(渋谷 孝)
森山卓郎著『表現を味わうための日本語文法』(小田迪夫)
木下是雄著『理科系の作文技術』(高橋俊三)
川端有子・戸苅恭紀・難波博孝編『子どもの文化を学ぶ人のために』(難波博孝)
日本言語技術学会長岡支部著『小学校の詩30編をどう教えるか』(長畑籠介)

国語授業の改革3

はじめに
「絶対評価」が導入され、多くの学校で少なからぬ混乱が起こっています。こういった混乱を生じさせる文部科学省の一方的なやり方には問題が多いと言わざるをえません。が、一方では絶対評価導入によって、今まで私たちがあいまいにしてきた各教科の教科内容について、全面的な再点検を迫られているとも言えます。特に国語科は、教科内容を最もあいまいにしてきた教科の一つです。この事態をむしろ積極的にとらえ、「絶対評価」を「到達度評価」として捉え直し、この機会に国語科の教科内容を明確にしたいと考えました。
 そこで、『国語

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