小・中・高における国語授業の改革 文学作品・説明的文章を読む方法 -構成・構造、形象・論理、吟味・批評- の追究 「読み」の授業研究会

出版・通信

  • HOME > 
  • 出版・通信 > 
  • 国語授業の改革
国語授業の改革

国語授業の改革2

新学習指導要領 国語科新教材のポイント発問 この発問で授業がおもしろくなる

まえがき
 新しい学習指導要領が、今年の四月からいよいよ実施される。「総合的な学習の時間」が新設され、国語では「伝え合う力」が強調され、「話すこと・聞くこと」が「目標」「内容」の一番はじめに位置づけられている。そういう流れの中で相対的に「読むこと」が軽視されつつあるかのような印象さえ受ける。
 しかし、そういう傾向が仮にあったとしても、私たちは「読むこと」の重要性は全く変わらないと考える。それどころか、これからはより一層深く広く、そして確かに読むことの重要性は大きくなってくる。特に教師待ちでない、文章吟味を含んだ子どもたちの主体的な読みの力は、今後一層大きな意味をもつはずである。
 新指導要領に伴って教科書が新しくなり、新しい国語の教材がたくさん登場した。「国語授業の改革1」に引き続き、この「国語授業の改革2」でもその新教材を取り上げる。それも、すべて前回とは重ならない教材選択をした。今回は新教材の詳細な分析と同時に、ポイントとなる「発問」を具体的に枠囲みで示した。発問・指示い説明・提言・助言といった指導言のメカニズムの解明も行った。また、光村図書・教育出版・東京書籍の三社に採用された谷川俊太郎の詩「春に」を教材にし、君漢学園の町田雅弘教論が生き生きと授業をしてくれた。それをストップモーション方式で紹介し、鶴田清司氏、五十嵐淳氏が検討を加えている。
 今回も、多くの著名な研究者にご寄稿いただいた。豊田ひさき氏、望月善次氏、鈴木秀一氏、宮坂義彦氏、府川源一郎氏、須貝千里氏である。また、「わたしが勧めるこの一冊」を、同じく著名で経験豊かな研究者の方々にお書きいただいた。
 私たちは、ある一定の確かな方法(指導方法・分析方法)と内容(何をこそ学ばせるのかという教科内容)を身につけ把握しさえすれば、誰でも中身の濃い、エキサイティングな国語の授業が展開できると考えている。この「国語授業の改革②」が、そのことに大きな示唆を与えてくれることと思う。
 この「国語授業の改革」シリーズを多くの先生方、研究者の方々に読んでいただき、改革のうねりを広げていきたいと考えている。

〈目 次〉

1 特集 国語科新教材の分析とポイント発問

1 国語科・新教材のための発問のつくり方──新教材「三つのお願い」(ルシール・クリフトン)を例に(阿部 昇)
2 国語教師のための発問研究入門(豊田ひさき)
3 新教材の分析とポイント発問 小学校・物語(1)
 「きつつきの商売」(林原玉枝)〔光村図書3年〕(本山智子)
4 小学校・物語(2)
 「消しゴムころりん」(岡田 淳)〔教育出版3年〕(臺野芳孝)
5 小学校・物語(3)
 「三つのお願い」(ルシール・クリフトン)〔光村図書4年〕(重藤照文)
6 小学校・物語(4)
 「きいちゃん」(山元加津子)〔光村図書6年〕(加藤辰雄)
7 小学校・物語(5)
 「美月の夢」(長崎夏海)〔教育出版6年〕(若杉和徳)
8 小学枚・説明的文章(1)
 「とんぽの楽園づくり」(森 清和)〔教育出版4年〕(岩崎成寿)
9 小学校・説明的文章(2)
 「海にねむる未来」(矢野哲治)〔光村図書5年〕(柳田良雄)
10 中学校・小説(1)
 「麦わら帽子」(今江祥智)〔光村図書1年〕(小倉泰子)
11 中学校・小説(2)
 「新聞少年の歌」(辻 仁成)〔教育図書出版1年〕(平野孝子)
12 中学校・小説(3)
 「ゼブラ」(ハイム・ポトク)〔光村図書2年〕(杉山明信)
13 中学校・詩 
 「春に」(谷川俊太郎)〔教育出版3年〕(町田雅弘)
14 中学校・説明的文章(1)
 「パソコン通信というコミュニケーション」(俵 万智)〔光村図書3年〕(高橋喜代治)
15 中学校・説明的文章(2)
 「情報社会を生きる」(半田智久)〔教育出版3年〕(小林義明)
16 高等学校・小説 
 「ナイン」(井上ひさし)〔尚学図書他〕(丸山義昭・神田富士男)

2 発問・指示・説明・提言・助言をつくり出すための方法と技術 

1 柱の発問(提言)のつくり方──五つのコツ(加藤郁夫)
2 発問を支える助言の打ち方──六つのポイント(永橋和行)
3 明確な指示の出し方──四つのコツ(小林信次)
4 わかりやすい説明の仕方──三つのコツ(薄井道正)
5 発問・指示・説明を立体的に組み合わせるための技術(海崎義隆)

3 国語科新教材・詩「春に」(谷川俊太郎)の1時間全授業記録とその徹底分析

1 「春に」(谷川俊太郎)の1時間の全授業記録(鈴野高志)
2 授業へのコメント(1)作品にふさわしいモノサシを使って読む(鶴田清司)
3 授業へのコメント(2)読みの方法と授業の受け方を教えるということ(五十嵐淳)
4 授業者へのコメント 授業の三つの目的(町田雅弘)

4 提言・国語科教育の改革

1 多様な可能性の確保をこそ──目標論・評価論の観点への過度の傾斜を危惧しつつ (望月善次)
2 国語科の総合性を生かす方向(鈴木秀一)
3 教え込み方式の授業から追求方式の授業への転換──「文学表現の言葉」を追求することの方法論的意味(宮坂義彦)
4 「国語」科という枠組みの見直し(府川源一郎)
5 「ドブン」と「やまなし」論──学習課題を提起し、<読み>の倫理を問う(須貝千里)

5 国語教師のための「わたしが勧めるこの一冊」

ヴィゴツキー著、柴田義松新訳書『思考と言語』(柴田義松)
野口芳宏著『名人への道・国語教師』(野口芳宏)
井上尚美著『言語論理教育への道──国語科における思考──』(大内善一)
高木まさき著『「他者」を発見する国語の授業(田中 実)
植山俊宏著『小学校読みの指導における日本語』(小林義明)

国語授業の改革2

まえがき
 新しい学習指導要領が、今年の四月からいよいよ実施される。「総合的な学習の時間」が新設され、国語では「伝え合う力」が強調され、「話すこと・聞くこと」が「目標」「内容」の一番はじめに位置づけられている。そういう流れの中で相対的に「読むこと」が軽視されつつあるかのような印象さえ受ける。
 しかし、そういう傾向が仮にあったとしても、私たちは「読むこと」の重要性は全く変わらないと考える。それどころか、これからはより一層深く広く、そして確かに読むことの重要性は大きくなってくる。特に教師待ちでない、文章吟味

>>こちら