小・中・高における国語授業の改革 文学作品・説明的文章を読む方法 -構成・構造、形象・論理、吟味・批評- の追究 「読み」の授業研究会

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夏の大会

第23回夏の大会報告(2009.8.20-21 京都)

新学習指導要領を見通した国語授業の新展開──「言語活動」「PISA」にどう応えるか

竹田博雄(大阪 高槻中学・高等学校)

1 はじめに
 第23回「読み研」夏の大会は、さる8月20日(木)・21日(金)の二日間にわたり、京都・立命館大学の「敬学館」において、約220名の参加者を迎え大成功のうちに終えることができた。今回の大会で特徴的なことは、参加者の半数以上、およそ55%の方々が初参加であったということである。更に、一校で7名の申し込みを頂いた学校もあった。学校教育における「読み研」の広がりを益々強く実感した次第である。

2 豊富な内容
 近年の大会は、実に多様で豊富な講座内容に溢れており、どれも大変充実したものになっている。初日の高橋氏によるオプション企画から、二日目の岩崎氏による全体模擬授業まで、実に17の講演、講座等が展開された。どれも授業に根ざした具体的な提案ばかりで、同時展開された講座については、その中の一つを選ぶことがなかなか出来ずに悩む参加者も多くいたようである。それほど、どの講座も参加者の必要性にマッチした質の高い内容であったといえる。

3 基調講演
 初日、阿部氏の講演では、新学習指導要領の特徴と問題点が語られた。特徴としては、例えば、「小学校解説」の、「状況設定ー発端ー事件展開ー山場ー結末」と言った「構成」「展開」の重視は、読み研の提唱してきたことと多く重なるとの指摘があった。確かにこれは、読み研の「冒頭ー発端ー山場の始まりークライマックスー結末ー終わり」という小説の構造読みと類似している。氏は遠慮がちに語られていたが、まさに指導要領の方が、読み研に近づいてきたと言えるであろう。また更に「比喩や反復などの表現の工夫」といった「言語」重視の内容となっていることもあげられた。
 しかし氏は、「反復」「比喩」といった、読むべき具体的内容が示されたことは評価しつつ、そこには大きな問題があると指摘する。それは「比喩」にしろ「反復」にしろ、それらがなぜ小5・小6、中1という特定の学年だけに、ばらばらに位置づけられているのか、という問題である。氏はこれらの指導は、小1から是非必要で、むしろその質的発展を図っていくべきではないかと説く。すなわち、教科内容の「系統化」である。小中高を見通した系統的な教科内容の設定については、これまで追求が不十分であり、その再点検が今後の読み研には必要であると強く提案し、講演を終えられた。
 この提案は、非常に刺激的であった。それは例えば、出版社が違えば、同じ作品が、全く別の学年の教材文として掲載されているなどという、およそ社会科学や自然科学分野の教科書では考えられない不安定な教科内容の揺らぎが払拭され、「国語」(現代文)という教科の体系化の可能性が見出せるのではないかという思いを抱くことができたからである。

4 全体模擬授業 
 今大会の全体模擬授業は、立命館宇治中学・高等学校の岩崎成寿氏による『動物の体』(小5)を使った「吟味よみ」の授業であった。説明文の授業は、小中高の校種を問わず、教員の悩みの種であろう。今回の岩崎氏の授業は、説明的文章の読解という点で非常に示唆に富むレベルの高い授業であった。 「吟味」の指標として、単に「あいまいなところはないか」と問うのではなく、読むべき段落を示し、その中の「例示」に着目させ「その例示の仕方にあいまいさやズレはないか」と、生徒がより思考力を働かせやすいように具体的な発問で授業を展開。そうして生徒らは「野生動物」と「飼育動物」という例示のズレや、「まるっこい」の指し示す意味の曖昧さに気がついていく。その結果、説明文でありながら、「ここでは体つきが丸っこい動物の例を何とかして挙げたかったんだろう」と、筆者の意図まで読めてきてしまった。これらの読解は、与えられた情報を十分に斟酌できる「吟味」の力をいかに身につけるか、という点で大変クオリティの高いものであった。表やプリントを作って、どういったことが書かれているかと、単純にその内容を書き写していくだけの、思考力の流れない平板な授業とは決定的に一線を画す、別次元の授業だったと言える。 また、PCのパワーポイントを駆使した展開は、氏の教材研究の深さと丹念さが十二分に窺える用意周到なもので、フロア全体も、全く感心していた。それはこれからの、「国語」授業の在り方を示す先進的なものであったと言える。

第23回夏の大会報告(2009.8.20-21 京都)

1 はじめに
 第23回「読み研」夏の大会は、さる8月20日(木)・21日(金)の二日間にわたり、京都・立命館大学の「敬学館」において、約220名の参加者を迎え大成功のうちに終えることができた。今回の大会で特徴的なことは、参加者の半数以上、およそ55%の方々が初参加であったということである。更に、一校で7名の申し込みを頂いた学校もあった。学校教育における「読み研」の広がりを益々強く実感した次第である。

2 豊富な内容
 近年の大会は、実に多様で豊富な講座内容に溢れており、どれ

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