生徒会指導に関する提案

高橋喜代治

生き生きとして安定した学校をつくるために

 学校が生き生きと安定してあるためには、生徒の集団的・自治的な力(生徒会の存在)が欠かせません。とりわけ、そのリーダー(核)である生徒会本部役員の自覚(自治意識)づくりは重要です。また、それは校長が繰り返し生徒達に訴える「かっこいい中学生、先輩」づくりのイメージと重なるし、内実を形成するものです。
 これまで、わたしは生徒会の顧問として、上記のような生徒会にするにはどうしたらいいか、多忙な中で(私も、みなさんも)若干の工夫をしてきました。それは例えば、①生徒会本部室をほんとに彼らのモノにするために、いつもきれいにし、事務ができるように管理させたり、②毎週の定例本部役員会を開催させたり、③事務局体制(分掌)をつくったり、役員会の議案や議題を考えさせたり、④行事の企画・運営をまかせたり、⑤目立つところでは原稿に頼らないでスピーチさせたり、です。
 これも、すべて彼らの自覚(自治意識)をどうつくるかの方法です。だから、定例役員会の日(毎水曜日)は、学級での清掃は免除させてもらいました。これは彼らへわざと一つの特権を与えたわけですが、特権は自覚づくりに有効だからです。(ただし、危険もありますが)。また、生徒会室の清掃・管理は、自治にとって管理(自主管理)がまず大事だからです。新潟中部地震への義援金の送金をほとんど何も教えず役員にやらせたのも、パフォーマンスや、町の広報に掲載されるためではなく、自覚づくりのためです。因みに、他団体からたくさん依頼される募金などもやるかどうかは、役員会の決定です。地震などしょっちゅうありますから。自覚は精神論やお題目ではつくれません。方針と仕掛けです。
 さて、そういうことで、本部役員の自治的な意識は昨年来少しはついてきたかと思いますが、まだまだです。
 そこで、次のことを提案しますのでご協議ください。

1 生徒会費を手集金でやってみさせる。
 手集金には色々問題もあります。まずお金の紛失、そして集金業務にかかわる先生たちの苦労等々。でも、今生徒達は、生徒会がいくらか、払っているのかも知りません。これで、生徒会員としての自覚といっても無理です。また、本部役員の会計は、「会計」で当選していながら、会計の仕事がほとんどありません。出納も執行も予算案・決算案などの更に財務計画も一切先生がやっているのですから。お金の問題なので仕方がない面もありますが、自治はお金の管理でもあり、きわめて政治教育的(民主主義教育)に価値のある問題です。
 手集金で、中央委員の自覚もつくれるし、お金を集める大変さも指導でき、それを通して自治的な力が育てられると思います。

2 生徒会予算部活動配当金の配当基準の見直し
 これまで、部活動配当金は部員数が算定基準でした。そのため、論議が要りませんでした。活発な論議がつくれませんでした。方法は工夫しだいです。部活実績との併合、下校違反に対するマイナス査定等々。

3 生徒会年度の見直し。総括年度、役員任期年度、会計年度などを10月~翌年9月とする。
 これまで、本部役員は10月選挙で任務につくのですが、方針や予算は5月の生徒会総会で決定されたものを執行していました。かなり以前は前期と後期でそれぞれ総会をやっていましたが。慣例と学校や顧問の都合、特に多忙が原因です。実に変な話でした。役員は気づいていないようですが。このままでいきますと、今年も新会員を迎え、5月に総会を行い(現本部役員)、方針を出して9月に引退ということになり
ます。
 なかなか単純にはいかないのですが、10月に総会を行い、現役員が総括を出し、新役員が方針を出す方が、理と現状に叶っていると思うのです。ただ、この場合部活予算の執行が今年は遅れるという問題や、会計年度が新入生(4月)と合わない問題を解決する必要があります。また、決算に3年生が参加できないこともあります。

 以上、他にも自治的な生徒会にするために改善がたくさんありますが、当面の問題として提案します。

※この文書は、私(高橋)が職員会議に提案したものです。

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「読み」の授業研究会
「読み」の授業研究会(読み研)
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