特定秘密保護法の強行採決に抗議し、法律廃止を求める声明
今国会で、特定秘密保護法が強行採決されました。この法律は、憲法で定めた国民主権、基本的人権、平和主義を根底から脅かすものです。今国会での強行採決に抗議するとともに、この法律の廃止を強く求めます。
特定秘密保護法は、政府の裁量によって「特定秘密」が恣意的に広範囲に指定される可能性の極めて高いものです。そして、永久にその情報が開示されないという可能性が含まれています。また、「特定秘密」に指定された情報に関わった者が、本人にそれと知らされることなく、過度の刑罰を科されることが明記されています。
これは、戦後の日本の歴史の中で、異常ともいえる事態です。この法律は、国民の知る権利、取材・報道の自由、表現・出版の自由、学問の自由を、大きく損なう可能性が高いものです。また、国会の国政調査権も事実上骨抜きになっていきます。それは、既に述べた国民主権、基本的人権を強く脅かすものであり、また言論・思想の自由を奪って戦争に突入した戦前の歴史を繰り返す可能性を強く含むものです。憲法の平和主義と完全に逆行するものです。
同種の法律をもつ国が「秘密国家」的「軍事国家」的になっている現状・歴史からも、特定秘密保護法が日本にとっていかに危険なものであるかがわかります。
私たちは、国語科教育に関わる教師・研究者として、子どもたちに主体的に読み書く能力、主体的に聞き話す能力を育てることに尽力してきました。中でも様々な情報を主体的に理解し評価し判断する力、それにもとづき主体的に発信していく力を育てることに努力してきました。それらを通じて、子どもたちが民主的で平和的な国家・社会の形成者=主権者に育っていくこと、自らの可能性を最大限に発揮できる職業人・市民となっていくことをめざしてきました。
しかしながら、特定秘密保護法によって、主体的に情報を理解し評価し判断する以前に、情報そのものが正当に開示されないという状況が生まれてしまいます。また、主体的な発信が自由にできないという状況が生まれてしまいます。民主的で平和的な国家・社会の実現も極めて難しくなります。子どもたちが将来職業人として市民として自らの可能性を発揮することにも支障が生じます。
以上の理由から、私たちは国語科教育に関わる教師・研究者として、特定秘密保護法の強行採決に抗議します。そして、この法律の廃止を強く求めるものです。
2013年12月8日
科学的『読み』の授業研究会
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