学習リーダー心得

「学び合い」とか「アクティブラーニング」といった言葉が教育関係の書籍やweb記事で盛んに用いられている昨今ですが、国語の授業ではやはり、まずは目の前の文章を対象とし、文や言葉にこだわった学習が行われるべきです。特に文学作品や説明的文章の読みの第一段階として「読み研」が提案している「構造(構成)よみ」や最終段階の「吟味よみ」では、個人→小グループ→全体討議という流れで授業を行っていくことがたいへん有効です。そして小グループでの話し合いに入ったさいには、それぞれのグループに、話し合いを進めるためのリーダー(学習リーダー)存在が必要になってきます。
 授業の中でいきなり「学習リーダーをやってくれる人!」と呼び掛けても、なかなか自分から手を挙げる子が、学年が上がるに連れて少なくなりがちです。しかし、具体的に「学習リーダー」の仕事内容を示し、また「学習リーダー」になることが自分の国語力を高めることにもつながる、ということをしっかり語ってあげると、「じゃあ、やってみようかな」という気持ちを起こす子どもも多くなってきます。
 このプリントは、特に年度の始めや、今回の話し合いは重要!と考えた時に、授業の中でクラス全員に配布して説明を加えます。その後すぐに「学習リーダー」を募ると、かなりの子どもがやる気を見せてくれます。
 「学習リーダー」が中心になりながら、グループの全員が発言し合い、その発言からお互いが学ぶ。それこそまさに国語科における「学び合い」のあるべき姿と言えるのではないでしょうか。

 なお、このプリントは中学生向けに作ったものなので、小学校の先生方は言葉を少し易しくするなどご自由にアレンジしてみてください。もちろん高校生対象でも使えます。

プロフィール

鈴野 高志
鈴野 高志「読み」の授業研究会 運営委員/つくばサークル
筑波大学日本語・日本文化学類卒業 同大学院教育研究科修了
茗溪学園中学校高等学校教諭/立教大学兼任講師
[専門]日本語文法教育
[趣味]落語