福岡・八女サークル4月例会の報告と5月例会のご案内
1.4月例会の報告
(1)参加者 8名(初参加者1名を含む)
(2)日 時 4月18日(土)14:00~17:00
(3)場 所 おりなす八女 第5研修室
(4)内容(概要)
①「読み研通信」の輪読
巻頭論文「今、求められるのはー国語の教科内容の再構築と学習集団を生かした 探求型授業」(阿部昇)の特に1と4について輪読しました。
②「学び合いのある授業をどう創造するか」
「学び合いのある授業をどう創造するか」について、内藤先生に講話をしていただきました。授業の展開は「学び合い」の充実がポイントであり、「学び合い」のある授業の基本的な流れや、どうすれば充実した学び合いのある授業を創ることができるか、等について細かく話していただき、新年度の授業をスタートするにあたり、大変参考になりました。
③物語「握手」(井上ひさし 光村図書 中3)の構造をとらえる
発端の候補として、「上野公園に古くからある西洋料理店へ・・・」(A)、「ルロイ修道士は大きな手を差し出してきた。」(B)、「『おいしいですね、このオムレツは。』」(C)の3つが考えられる。Aは「わたし」と「ルロイ修道士」が再会するところで描写性が高い。Bは題名にあるルロイ修道士の「握手」にまつわる話が始まるところであり、この後も「握手」の事象が描かれる。Cは、「わたし」が「ルロイ修道士」の様子に違和感を持ち始めるところである。ABCの中のどれがこの物語の発端なのか?
この疑問を解決するには、この物語の事件は何かを考えることで解決する。「握手」の事件は「二人の関係性の変化」である。「ルロイ修道士」は何のために「わたし」に会いに来たのか?「わたし」はルロイ修道士と話をしたり様子を見たりするうちに、彼が重い病気にかかっており、かつての教え子である自分に最後に会いに来ていることに気づくのである。発端はAということになる。
また、クライマックスは、「わかりましたと答える代わりに、わたしは右の親指を立て、・・・」のところである。二人は言葉には出さずとも、相手の考えていることが分かった。この最後の「握手」はお互いが思いを受け止め、エールを送った握手であった。「『痛いですよ。』ルロイ修道士は顔をしかめてみせた。」の表現は、「万力よりも強」かったかつての握手との対比や、「しかめてみせた。」から「二人の関係の逆転」が読めること等、物語のおもしろさを指導できる格好の教材である。
④実践上の疑問や悩み
2.5月例会のご案内
(1)日 時 5月30日(土) 14:00~17:00
(2)場 所 「おりなす八女」 第5研修室
℡ 0943-23-2131
(3)内 容(予定)
①物語・説明文の読みの基本
「化けくらべ」「ドラえもんのひみつ」を使って
②論説文「壁に残された伝言」(井上恭介 三省堂 中2)
③小説「羅生門」(芥川龍之介 桐原書店 高1)
④その他、持ち込み教材
連絡先:福岡県八女市立黒木中学校 熊添由紀子
プロフィール
- 2024.12.23国語授業の改革全私学新聞にて『国語授業の改革 23号』が紹介されました
- 2024.12.22冬の研究会第39回冬の研究会が本日終了しました!
- 2024.11.12読み研通信『読み研通信』152号が出ました!(無料配信)
- 2024.10.31国語授業の改革国語授業の改革23号(2024年)