関西サークル 堺例会の報告

関西サークル 堺例会の報告

 3月24日に堺で関西サークルとしては初めての例会を持ちました。
 参加は6名とやや少なかったすくなかったのですが、うち4名の方が、読み研ははじめてという方でした。
 内容は、朝倉朋介さんがウーリー=オルレブ作『のどがかわいた』(光村5年)で文学作品を、運営委員の加藤郁夫が『ありの行列』(光村3年)で説明的文章をそれぞれ報告し、話し合いました。
朝倉さんの『のどがかわいた』は新教材です。教科書のはじめに新美南吉の『あめ玉』があり、それに続く文学作品がこの『のどがかわいた』です。4月からの実践を意識してこの教材を朝倉さんは取り上げたとのことです。
 新教材の割に?、そして教科書のはじめの方にあるにもかかわらず、結構難しい教材です。わかりにくい、あるいは共感しにくい作品といってもよいかもしれません。
朝倉さんも「子どもたちの生活体験とはかけはなれている物語で、子どもたちは親近感を持って学習に向かっていけるかどうかは、はなはだ疑問に感じる」としながらも、構造よみから形象・主題よみ、さらには吟味も含めて丁寧な提案をされた。吟味よみをめぐっては、作品に共感できるかできないか、また共感できないのはどういうところかを考えていけばどうかといった意見も出された。
 加藤は『ありの行列』をもとに、説明的文章の読み方を提案した。この教材は以前からあるが、教科書の改訂を経て、一部書き直しされている。一番大きな変更点は、前にあった10段落がなくなっている。その分、構造はわかりやすくなっている。
吟味よみでは、はじめを次のように変えて、問いの形で始める効果を考えるという提案をした。
 夏になると、庭や公園のすみなどで、ありの行列をよく見かけることがあります。その行列は、ありの巣から、えさのある所まで、ずっとつづいています。ありは、においをたどって、えさのところへ行ったり、巣に帰ったりするので、このような行列ができるのです。
 堺では初めての読み研の例会でした。最後に、二ヶ月に一度くらいで継続していくことを確認しました。次回の日程が決まり次第お知らせします。          (文責 加藤郁夫)

 以下に参加者の感想を載せます。
★今まで、説明文の授業は、その書いてある内容がどんな形であれ、理解できればよいと思っていました。
「段落と段落の関係性」を学ぶという視点を学べて、今日は子ども二人を友達にあずけてまで来たかいがありました。

★物語文と説明文の両方を一緒に勉強でき、すごくためになりました。物語文では、「構造よみ」→「形象よみ」→「主題よみ・吟味よみ」の順で読み深められるということ、説明文は、「前文」→「本文」→「後文」という構造になっていること、なんとなくは分かっていましたが、くわしく勉強できました。やはり、学校でも、国語は言葉や本文を大切にしていくべきだと、学んでいたので、私の教材理解が子どもたちの理解になるのだと改めて思いました。

★文章の構造を理解するためのさまざまな方法をご教示いただき、大変勉強になりました。要約指導に困っていたのですが、「論理よみ」から要約をする流れを実践してみようと思います。

★今日はリハビリとしても学習としてもとても刺激をもらいました。物語文の方は、盛りだくさんの提案で消化しきれていない状態ですが、構造よみから子どもたちとワイワイ言いながら、よみこんでいきたいなと思っています。形象よみでは、発問をがっつり考えて教師のよみ深めから授業を展開したいです。現場復帰に向けて、楽しみがふえた気がしました。

◆久しぶりの例会で楽しかったです。今日は実践提案をしました。提案文をまとめることは少しむつかしかったですが、物語文をどう読んでいけばいいか、なんとなくまとまったように思いました。
今度は実際に実践をしてそれを報告できたらと思っています。

プロフィール

「読み」の授業研究会
「読み」の授業研究会(読み研)
「読み」の授業研究会は、子どもたちに深く豊かな国語の力を身につけさせるための方法を体系的に解明している国語科の研究会です。
2021年に設立35年を迎えました。