春の学習会IN京都 の報告

 読み研としてはじめて、京都で小規模な学習会を開催しました。今年の夏の大会は、京都で予定しています。その魁として、四月からの授業の役に立つ内容でやってみたらどうだろうという考えて企画しました。あまり大規模な宣伝をすることもなく取り組んだのですが、26名の参加で内容的にも充実した会になりました。
 
 以下に参加者の感想も交えながら、学習会の様子を報告します。

 講座1は「物語の授業づくり 4つの秘訣」と題して、加藤(読み研事務局長)が担当しました。「スイミー」(小2)と「白いぼうし」(小4)の二つの作品を使い、構造よみを通して物語の仕掛けを読み取ることや比喩の読み方などを作品に即して具体的に話しました。

【参加者の感想】
◎読みの指導については、自分もいまだに悩むが、若い先生方は何をどう教えたらよいのか、迷っている方もいる。話を聞いてみると、国語の読みで、どのような力を、どのような切り口で指導したらよいのか、見えていない様子が見られるので、本講座で教えていただいたことを機会を設けて伝えていきたいと思う。

◎教材研究はとかく自分本位の読み取りになりがちであり、今回のように納得のいく読み取り方法と、その実際は大変おもしろく聞かせていただきました。私は、数学専攻なので、国語科の言語活動については勉強不足なので、このような講座はまた受講してみたいものです。

◎四月から初任者です。国語については、どんな授業をすればよいのか不安でしたが、この研修でヒントをいただき、非常に参考になりました。

 講座2は「説明的文章の授業づくり 4つの秘訣」と題して、「すがたをかえる大豆」(小3)を使って、運営委員の竹田博雄先生(高槻中学高校)が担当しました。構成・構造をどのように読んでいくのか、論理の読み方、吟味の仕方などを話しました。

 【参加者の感想】
◎説明文の読み方のノウハウをたくさん教えて頂き、おもしろかったです。どこに目をつけさせるとよいかがよく分かりました。みなさんの議論を聞いて、こんなにいろいろな読み方ができることがわかったことが、今日の収穫です。

◎教材でどんな力をつけるのかが分かりました。文章、段落構成がわかる教材プリントの工夫も知ることができてよかったです。

◎教科書で教えるには、小・中学校のレベルの文章を教材にする方がよいと、今日改めて思いました。高校の評論文は硬質なものが多く、教科書を教える形になりがちなので、読み研の教え方をこれからも参考にしようと思います。

 
 講座3は、「『言語活動』をいかした国語の授業づくり 4つの秘訣」と題して、永橋和行先生(立命館小学校)が担当しました。最初の30分は、班の作り方、リーダー指導などの具体を丁寧に話をし、次の30分は「大造じいさんとガン」(小5)を使って、クライマックスの討議など模擬的に話し合いの仕方をすすめていきました。最後は、参加者同士の状況を交流し、発表し合い、中身の濃いものとなりました。 

【参加者の感想】
◎実践を聞けたのは大変貴重でした。班活動、理想的ですが、しっかりとした学級集団にしておかないと難しいなとか、時間がかかり過ぎないか心配しています。しかし、チャレンジできますようがんばります。

◎実際の教室の様子が、自分がやってみることでよく分かりました。ぜひ教室でも同じようにやってみたいです。

◎学習集団、目指したいと思います。本校では学び合いを大切にしています。ただ、深まりがありません。今日教えていただいたことを生かしたいと思います。毎時間のまとめ、来年度から全校的にすすめたいと思います。

 朝10時半からお昼休憩をはさんで4時半まで、ハードな学習会でしたが、楽しいものになりました。最後のまとめでは、この2月に公開授業研究会をやられた大阪の豊中市立千成小学校の西畑先生から、公開研の様子が報告されました。この公開研には助言者として、今回の講座担当者3名が去年から関わっています。説明的文章の系統的な指導を追究した画期的なものでした。
 
 
 また来年も、春の学習会を企画したいというのが担当者3名の一致した感想でした。
 神奈川をはじめ、愛知・三重・兵庫・大阪・京都と各地から参加してくださったみなさん、ありがとうございました。

プロフィール

「読み」の授業研究会
「読み」の授業研究会(読み研)
「読み」の授業研究会は、子どもたちに深く豊かな国語の力を身につけさせるための方法を体系的に解明している国語科の研究会です。
2021年に設立35年を迎えました。