【国語授業実践講座Q&A】『読み研』の指導方法・指導過程に適した作品と、そうではない作品・文章ってありますか。

『読み研』の指導方法・指導過程に適した作品と、そうではない作品・文章ってありますか。

「読み研」の指導方法・指導過程に適した作品と、そうではない作品・文章というものはありません。「読み研」の指導方法・指導過程は、どういう物語・小説、説明文・論説文でも確かに深い読みを生み出すことができます。たとえば2021年4月に刊行された阿部 昇『読解力を鍛える古典の「読み」の授業』明治図書でも、読み研の指導方法は十分に生かされています。


 物語・小説の本質、説明文・論説文の本質を強く意識して構築されたのが、読み研の指導方法・指導過程だからです。
 ただし、物語・小説の導入段階、説明文・論説文の導入段階について言えば、より典型性の高い作品や文章を教材として使った方がよいことも確かです。最初から典型からはずれた難しい教材を使うと、子どもによってはとまどってしまいます。


 はじめは典型から入る。そしてだんだんと典型からはずれたものに向かう。……というのが指導の在り方としても自然です。その意味で、たとえば物語・小説の導入期には、「読み」の授業研究会がよく使う「化けくらべ」などから入ると効果的です。また、小2の「スイミー」なども小学校低学年に限らず、小学校上学年でも中学校でも導入期には適しています。(「化けくらべ」は、阿部 昇『増補改訂版・国語力をつける物語・小説の「読み」の授業』明治図書に掲載されています。)


 説明文・論説文の導入期には、「読み」の授業研究会がよく使う「ドラえもんの人気のひみつ」などから入ると効果的です。また、「こまを楽しむ」(安藤正樹)なども効果的です。
(「ドラえもんの人気ひみつ」は、「読み」の授業研究会『国語力をつける説明文・論説文の「読み」の授業』明治図書に掲載されています。)