【国語授業実践講座Q&A】読み研の指導方法が効果的であると最近聞きますが、一体どんなところが良いのですか。

【国語授業実践講座Q&A】国語は読み研の指導方法・指導過程が効果的であると最近聞きますが、一体どんなところが良いのですか。

読み研の指導過程は、次のとおりです。

物語・小説の指導過程
(1) 構造よみ
(2) 形象よみ
(3) 吟味よみ

説明文・論説文の指導過程
(1) 構造よみ
(2) 論理よみ
(3) 吟味よみ

 読み研の指導方法・指導過程は、日本に戦前からある「通読→精読→味読」という指導方法を、現代に合うかたちで発展させたものです。長い歴史に裏打ちされた安定した指導方法・指導過程と言えます。

 まず、構造よみで、物語・小説や説明文・論説文の構造を大きく俯瞰します。それによって、子どもたちは作品・文章の全体像をおおづかみにすることができ、国語が不得意な子どもでも作品や文章を理解することができます。また、その作品・文章のどのあたりが大切かも、全体像をおおづかみにしているために自然と見えてきます。 

 次に、形象よみ(物語・小説)あるいは論理よみ(説明文・論説文)で、作品・文章をより丁寧に読んでいきます。物語・小説だと、構造よみで見えてきた作品の鍵となる部分に着目しながら、事件の展開や伏線などの仕掛けを読み広げていきます。作品の楽しさが鮮やかに見えてきます。説明文・論説文だと、構造よみを生かしながら、中心的な段落・文に着目しながら説明の仕方や説得の仕方の特徴を読み広げていきます。その文章の魅力の秘密がそれによって見えてきます。

 最後に吟味よみで、その作品・その文章の優れた工夫や特長を見つけだすとともに、共感できなかったこと、納得できなかったことにも注意を向けていきます。作品・文章の吟味・評価・批判です。

 以上のような過程で、物語・小説や説明文・論説文を、確かに深く読む力が子どもたちに身についていくのです。学習指導要領でも重視されている「言葉による見方・考え方」が確実に身についていきます。