論理的に話す
多治見西高等学校附属中学校 湯原 定雄
「わかりやすい構成法」を使って短い文を書いたり、話したりする練習をした。その方法の一つは次の通り。
1 最初に伝えたいことを述べる(Point =P 結論・要点)
2 次にその理由を述べる (Reason=R 理由・根拠 「なぜなら」ではじめる)
3 理由を裏付ける事例やデータ
(Example=E 例示・裏付けとなる事実 「たとえば」ではじめる。)
4 最後に要点を繰り返し示す (Point=P 結論・要点)
いわゆる「prep法」(プレップ法)と呼ばれている形式である。この手法を使うと、聞き手は、話の方向性を把握しやすく、理解してもらいやすい。また、話す側・書く側も、相手に分かってもらうための話の筋道を明確にすることができる。考える方法の一つでもある。
【生徒の作文1】
私はスイーツを食べることが好きです。
なぜなら、スイーツは種類がたくさんあって、選ぶのが楽しいからです。
例えば、サーティワンアイスクリームは、31種類ものアイスの中から自分の好きな味を選ぶことができます。また、季節限定の味もあるので、新しい味にも挑戦できます。
だから、私はスイーツを食べることが好きです。
なんだかアイスクリームのディスプレイの前で、どれにしようか、あれこれ思案している姿までイメージされそうな文章で、聞き手・読み手は「そうだよね」と素直に納得できる。
「わかりやすい話し方」を指導している大嶋友秀さんは、次のように言っている。
「論理とは、誰もが納得する話の運びや組み立てだ」
理由の妥当性を支える裏付けとしてふさわしい事実を挙げることが、わかりやすさの大切なポイントの一つだ。
このことを直接書いてくれた生徒もいる。
【生徒の作文2】
私は理由をつけて話すことを大切にしている。
なぜなら、理由がないと、話している相手が納得して聞けないからです。
たとえば、話し合いで意見を出すとき、理由もつけると自分がどれだけ考えてるのかが伝わるし、相手がなるほどと納得してわかりやすくなるからです。
だから、理由をつけて話すことを大切にしている。(男子)
授業では、生徒たちは、グループで自分の話や文を出し合い、交流しながら、わかりやすさを確認している。この力がいずれは、「自分の文の妥当性」を確認する力=「推敲する力」を育てる力になる。さらには他人の文章の、「よいところを評価し、不十分なところを見つける力」=「批評力」につながっていくはずだ。
プロフィール
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