福岡八女サークル6月例会の報告と7月例会のご案内
1.6月例会の報告
(1)参加者 7名
(2)日 時 6月24日(土)14:00~17:00
(3)場 所 おりなす八女 第4研修室
(4)内容(概要)
★短歌の指導「新しい短歌のために」「短歌を味わう」(光村図書 中2)
短歌の授業をどのように展開するかについて、光村図書の教材を使いながら学習を行いました。
まずは、それぞれ現在行っている授業について、「小学校では音読を中心にしながら、描かれてい
る場面を絵で表現させる」「どんな気持ちが表現されているかについて、互いに意見を交流する」
などの意見や、「教師が作品について解説することが多く、受身の授業になりがちだ」といった悩
みが出されました。そんな中で、「教師が解説するのではなく、子ども自身が言葉を手がかりに表
現されていることを読み取る授業」を行うために、読み研で行っている、次のような読み方でいく
つかの短歌について検討しました。
◇短歌の読み方
(1)大意(短歌のだいたいの意味を書く)
(2)時(作品からうかがわれる時は?その証拠は?)
(3)場(話者はどこにいる?)
(4)人物(話者は何をしている?)
(5)着目したい語句(特に重要だと思われる語句について、形象よみをしよう)
(6)表現技法(使われている技法とその効果は?)
(7)主題(この作品にこめられた思いは?)
○ 白鳥はかなしからずや空の青海のあをにも染まずただよふ 若山牧水
(1)大意
カモメは哀しくないのか(いや哀しいだろう)空の青にも海のあおにも染まらずに漂っていて。
(2)時
日中
(3)場
海のそば 海岸
(4)人物
一人でカモメを見ている
(5)着目したい語句(形象よみ)
白鳥→純粋 汚れていない
かなしからずや→きっとカモメは一羽で飛んでいる
擬人法(カモメに感情はない)
※カモメが哀しいのではなく、話者が哀しい
世間の常識に一人きりで染まらずにいることの哀しさ、辛さが読める。
空の青海のあを→色が違う「あを」はより深い青
ただよふ→「飛ぶ」とのイメージの違い。安定せず浮遊しているイメージ。
(6)表現技法
・二句切れ
・擬人法→カモメへの話者の感情の投影
・「や」反語(強い肯定)
(7)主題
純粋に生きようとすることの孤独
他に、
なにとなく君に待たるるここちして出でし花野の夕月夜かな 与謝野晶子
ただひとつ惜しみて置きし白桃のゆたけきを吾は食ひをはりけり 斉藤茂吉
についても同じように検討しました。(5)着目すべき語句で、どの言葉に着目させるかは難しい
ところですが、形象を深く読めそうなところをはじめは教師が指定して読ませると、着目の仕方や
読み方が見えてくるのではないかと思います。
★「扇の的 ―『平家物語』から」(光村図書 中2)
光村図書中学2年の教科書に入っている「扇の的 ―『平家物語』から」の学習を行いました。
古典教材であり、作品の一部が解説文と古文と一緒に掲載されていますが、現代の文学作品と同
じように、構造よみを行い、発端とクライマックスを検討しました。詳しい検討内容は省略します。
2.7月例会のご案内
(1)日時 7月29日(土) 14:00~17:00
(2)場所 おりなす八女 研修棟 和室 ℡ 0943-22-5332
(3)内容 (予定)参加者の持ち込み教材を使って
連絡先:福岡県久留米市立諏訪中学校 渡邊 絵里
プロフィール
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