第2回関西サークル例会報告(2006.2.11 宇治市)

 2月11日、立命館宇治中高において読み研関西サークル第2回例会を開催しました。参加者は7名でしたが、教材研究・授業方法論の検討を大いに深めることができました。

 最初に、西原丈人氏(立命館宇治高校)が「セメント樽の中の手紙」(葉山嘉樹、高1・小説)の模擬授業を行いました。授業で扱ったのは全5時間のうちの4時間目にあたる「女工の手紙」の形象よみでした。模擬授業は、最初に女工の手紙を読んでの疑問点を生徒に考えさせ、発表させることから始まりました。
「『りっぱにセメントになりました』とあるが、なぜ女工は『りっぱ』と表現したのか」
「女工はなぜ三度も『あなたが労働者だったら』とこだわるのか」
「出された手紙は一通なのか、複数あるのか」
 全部で九箇所の疑問が出された後、それぞれの疑問に自分の意見を発表させる形で授業が展開されました。模擬授業の後の検討では、教材解釈に関わる疑問、生徒から出された疑問を軸に授業を展開することの有効性、読みの方法を意識化させる手立てなどについて意見が交わされました。

 続いて、児玉健太郎氏(豊中市立第八中学校)が、「竜」(今江祥智、中1・小説、三省堂)の教材研究を発表しました。氏は、作品の構成(構造)よみ・形象よみ・主題よみを通じて、「小説の読み方を教える」ことに主眼を置いた分析と実践方法を提案されました。また、読みの方法の学習を意識した定期テストの問題の実例も紹介されました。
 検討では、最初にこの作品はクライマックスが読みとりにくいのではないかという指摘がありました。それに伴って、主人公である竜の「三太郎」の内面的変化が大変微妙に描かれており、逆に言えばそれがこの作品の面白さではないかとの意見もありました。その他、クライマックスを「一文」という限定をつけて読みとらせることの是非、定期テスト問題のあり方などの意見交換がありました。
 両教材の検討を通じて、小説を授業で読むことの面白さ・意義を深めることができました。
 次回例会は5月20日(土)に京都市内で開催する方向性を確認して、閉会しました。以下、参加者の感想の一部を紹介します。

○模擬授業をしてくださって、生徒側の立場となって授業にひきつけられていきました。自由に述べられる時間の中であるから、瞬時にももっと読みを深めたい、他の意見を吟味しようとする気持ちがどんどんわいてくる、こういう興奮を生徒にも味わわせたいと思いました。

○繰り返し出てくることばやことばの整合などに注目させれば、主題に迫っていけるように思った。説明文で不整合ということばを見たが、文学でもあるのだなと分かった。不整合を見つけるのにも人物像などを関連づけないと分からないことも理解できた。

○教材の研究については、予想通りみなさん精通されており、発言の一言一言の深みが自分とは決定的に違うと感じました。児玉先生が定期テストまで公開されたことは感動しました。

○文学作品の読みは多義的であり、一つの読みには収束できないというジレンマは常につきまといます。「クライマックスを一文に限る」という点に関しても一長一短があり、どちらが有効なのかは今後の教材研究で自分なりに考えていきたい。

○一人で読んで分析しているとどうしても読みがかたよります。この会で他者の考えを聴くことによってバランスをとることができています。もっと多くの方に参加して頂き、意見が交換できればと思っています。

 2月11日、立命館宇治中高において読み研関西サークル第2回例会を開催しました。参加者は7名でしたが、教材研究・授業方法論の検討を大いに深めることができました。

 最初に、西原丈人氏(立命館宇治高校)が「セメント樽の中の手紙」(葉山嘉樹、高1・小説)の模擬授業を行いました。授業で扱ったのは全5時間のうちの4時間目にあたる「女工の手紙」の形象よみでした。模擬授業は、最初に女工の手紙を読んでの疑問点を生徒に考えさせ、発表させることから始まりました。
「『りっぱにセメントになりました』とあるが、なぜ女工は『りっぱ』と表現したのか」
「女工はなぜ三度も『あなたが労働者だったら』とこだわるのか」
「出された手紙は一通なのか、複数あるのか」
 全部で九箇所の疑問が出された後、それぞれの疑問に自分の意見を発表させる形で授業が展開されました。模擬授業の後の検討では、教材解釈に関わる疑問、生徒から出された疑問を軸に授業を展開することの有効性、読みの方法を意識化させる手立てなどについて意見が交わされました。

 続いて、児玉健太郎氏(豊中市立第八中学校)が、「竜」(今江祥智、中1・小説、三省堂)の教材研究を発表しました。氏は、作品の構成(構造)よみ・形象よみ・主題よみを通じて、「小説の読み方を教える」ことに主眼を置いた分析と実践方法を提案されました。また、読みの方法の学習を意識した定期テストの問題の実例も紹介されました。
 検討では、最初にこの作品はクライマックスが読みとりにくいのではないかという指摘がありました。それに伴って、主人公である竜の「三太郎」の内面的変化が大変微妙に描かれており、逆に言えばそれがこの作品の面白さではないかとの意見もありました。その他、クライマックスを「一文」という限定をつけて読みとらせることの是非、定期テスト問題のあり方などの意見交換がありました。
 両教材の検討を通じて、小説を授業で読むことの面白さ・意義を深めることができました。
 次回例会は5月20日(土)に京都市内で開催する方向性を確認して、閉会しました。以下、参加者の感想の一部を紹介します。

○模擬授業をしてくださって、生徒側の立場となって授業にひきつけられていきました。自由に述べられる時間の中であるから、瞬時にももっと読みを深めたい、他の意見を吟味しようとする気持ちがどんどんわいてくる、こういう興奮を生徒にも味わわせたいと思いました。

○繰り返し出てくることばやことばの整合などに注目させれば、主題に迫っていけるように思った。説明文で不整合ということばを見たが、文学でもあるのだなと分かった。不整合を見つけるのにも人物像などを関連づけないと分からないことも理解できた。

○教材の研究については、予想通りみなさん精通されており、発言の一言一言の深みが自分とは決定的に違うと感じました。児玉先生が定期テストまで公開されたことは感動しました。

○文学作品の読みは多義的であり、一つの読みには収束できないというジレンマは常につきまといます。「クライマックスを一文に限る」という点に関しても一長一短があり、どちらが有効なのかは今後の教材研究で自分なりに考えていきたい。

○一人で読んで分析しているとどうしても読みがかたよります。この会で他者の考えを聴くことによってバランスをとることができています。もっと多くの方に参加して頂き、意見が交換できればと思っています。