関西サークル in 堺 第2回例会の報告

関西サークル 堺例会(第2回)の報告

6月23日に関西サークルin堺 の第2回例会を持ちました。
参加は7名と前回より一名増。うち4名の方が、はじめの方でした。
内容は、宮沢賢治の『やまなし』(光村6年)でした。

はじめに自己紹介を兼ねて、それぞれの方の『やまなし』との関わりを出してもらい、その後朝倉さん(狭山西小学校)から『やまなし』の教材としてのむつかしさを問題提起してもらいました。
・主人公の心情の変化を追えない作品
・さまざまな擬音語や擬態語がむつかしい
・なぜ題名は「やまなし」なのか などなど
 それを受けて、加藤(初芝立命館高校)が教材研究を提示し、みなで検討するという形で進めました。
「やまなし」の構成では、
「小さな谷川の底を写した、二枚の青い幻灯です。」
「一 五月」
「二 十二月」
「私の幻灯は、これでおしまいであります。」
となっていることを、はじめにきちんと確認しておくことが大事であること。特に、「五月」と「十二月」が二つ並べられており、明らかな対比になっていることは構成を見ただけでもとらえられること。またこの話が、幻灯を映している人によって語られており、語り手をきちんとおさえることなどなど。

堺での例会は2回目ですが、続けてきている方、初めて来られる方、はたまた今回は市民会館の表に張ってある表示を見て、こられた方もありました。次回は秋に予定しています。案内はHPに載せますので、お近くの方はぜひおいでください。 (文責 加藤郁夫)

以下に参加者の感想を載せます。
★ 『やまなし』はおもしろかったです。カニの挿絵と題名のイメージだけあった世界が、とても広がって、意味がわかりにくいなと思っていた文や言葉がとても近づいたように感じました。

★ 「目のつけどころを育ててあげる」という言葉が印象に残りました。国語の授業ではいったいどんな力を付けてあげたらいいのか、いろいろと迷っていたのですが、この言葉で理解できました。また、構造よみや形象よみ・吟味よみなど新しい手法をたくさん知れたので、実践させて頂きたいです。
今まで授業することに対して少し苦手意識を持っていた国語に対して、積極的に関わりたいという意欲が少し出てきました。

★ 「ことば」を大事にすることはとても共感がもてました。語り手は教えてこなかったので、これから意識して教えていこうと思いました。一つの作品を教える前に、自分がどれだけ教材研究をしたのだろうと、今日の研究会に参加して少し反省しました。今日学習させてもらった中で、特に「ことば」「語り(手)」「対比」の3つは強く残りましたので、これから授業にぜひ入れていきたいと思いました。

◆ 「五月」と「十二月」を対比で読むと主題がよく見えてきました。いきなり出てくる「クラムボン」や「イサド」などよくわからない言葉も「分からない」という仕掛けとして読んでいくということでとてもスッキリしました。宮沢賢治の作品世界にたっぷりつかった例会でとても勉強になりました。

プロフィール

「読み」の授業研究会
「読み」の授業研究会(読み研)
「読み」の授業研究会は、子どもたちに深く豊かな国語の力を身につけさせるための方法を体系的に解明している国語科の研究会です。
2021年に設立35年を迎えました。