第13回高等学校部会報告(2005.2.19-20 札幌)
第13回高等学校部会報告(2005.2.19-20 札幌)
荒木由紀子(札幌平岡高校)
2月19日(土)~20日(日)の2日間、北海道札幌市の「かでる2・7」を会場に、科学的「読み」の授業研究会第13回高校部会を開催しました。
参加者は道内から30名、読み研からはお二人の先生に来ていただき、合計32名でした。
今冬は雪が多く、欠航も危ぶまれたのですが、前日からいらしてくださった加藤郁夫先生と岩崎成寿先生、また、道内各地から、遠くは根室や稚内の近くから来ていただいた先生方のおかげで活発な討論が出来、大変実り多い会になりました。
詩の模擬授業と検討会
第一日は、三好達治の「土」を教材に加藤先生の模擬授業が行われました。模擬授業は、加藤先生のジョークに笑いが起こり、わきあいあいと進められました。
模擬授業の後では、「読み」研方式に対する質問や疑問、主題の解釈について活発な意見が交わされました。
参加者からは「模擬授業が刺激的で楽しかった」「詩の授業は苦手だったが、目からウロコの指導法だった」などという感想が寄せられ、大変好評でした。
小説の教材研究
続いて、私から森鴎外の「高瀬舟」の教材研究を発表しました。今回の提案は、
1(喜助ではなく)庄兵衛の変化に着目して読む。
2 導入部を重点的に読み、高瀬舟とはどういう空間か読み取る。
の二つでした。
1に対しては、「『高瀬舟』に関して新しい発想を得た」という感想をいただき、大変勇気づけられました。2についても「空間ではなく時間に着目すると見えてくるものがある」など助言をいただき、大変勉強になりました。
参加された皆さんから出された意見で教材解釈をより深めることができました。今後、指導案と発問についても考えていきたいと思います。
説明的文章の模擬授業・教材研究
二日目は、岩崎先生から、説明的文章における「構造よみ・論理よみ・吟味よみ」の説明と演習、続いて、丸山真男の「『である』ことと『する』こと」の模擬授業が行われました。
参加者からは「今まで教材内容を教える形でしか教材研究していなかったことに気づいた」「読みのプロセスがわかりやすかった」「吟味よみが新鮮だった」「説明的文章を授業で扱うのが楽しみになった」との感想が寄せられました。模擬授業が盛り上がっていたところで時間切れになってしまったので、もっと時間が欲しかったという声もありました。
最後に
もう少しゆっくり考える時間が欲しかったという意見がありました。それは、私自身も読み研に参加するたびに思うことなのですが、一方ではある程度テンポが早いほうが活性化するような気もしています。あらかじめ資料を渡して事前に考えていただけるようにしておくなど今後工夫していきたいと思っています。
一日目の参加者は全員二日目も参加してくださって、活発な討論を行うことが出来ました。国語教師が30名集まるということもなかなかないことです。模擬授業や参加者と一緒に授業を作っていくという読み研のスタイルがよかったという意見もいただきました。またこのような会を札幌で開いて欲しいという声が多くあり、本当に嬉しく思いました。
プロフィール
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