授業びらき「『国語を学ぶ意味』をノートに」(中学校編)

『読み研通信』第126号(2018.3.31発行)より渡邊絵里先生の「授業びらき」を再掲します。


 初めての出会いの時には、まず、簡単に自己紹介をします。自分のことはそこそこに、「私の国語の授業は全員参加が基本です。そして私がしゃべるよりもみんなにいっぱいしゃべってもらいます!」と言い、そこから早速話し合い活動へとつなげていきます。

「国語を学ぶ意味」

 まず、「国語好きな人―?」と手を挙げさせます。だいたいの場合、半分も手を挙げればいい方です。
 そこから、

「国語なんて、好きな本を読んどけばいいよねえ?でも国語って週に四回もあるんです。じゃあなんで国語を勉強するんだろう?」

と投げかけます。子どもたちはそこで何かしら答えようとしますが、その場では答えさせず、「思いつく限りノートに書いてごらん」と指示をして、時間を取り書かせます。

 すべての生徒が何かしらの考えを書いたのを確認したら、誕生日が一番早い人を班長にして、話し合いのとルールを確認し、話し合いをさせます。

■話し合いのルール
班長は全員に発言させること。発言は相手の方を向いて聞き、必ず相槌などの反応をすること。発表は全員で一斉に挙手すること、などです。

 子どもたちからは様々な考えが出されますが、まず大きく間違った意見は出ませんので、意見が出されるたびに思いきりほめ、一通り出尽くしたところで、「これぜーんぶ正解です!」と言い、国語の授業の目的や評価について、またどんな力をつけていってほしいかなどを子どもたちの意見と絡めながら説明します。

 最後に、子どもたちに自己紹介のアンケート(国語は好きか嫌いか、その理由、読書の習慣について、ワタナベに一言!)を取り、授業を終わります。アンケートの内容については次の授業で触れます。

渡邊 絵里先生

子どもたちの、自分の考えを話すことや、話し合いをすることへの抵抗感をなくしたいという思いからこの形を取っています。

今回ご紹介した文章は、『読み研通信』に掲載されていたものです。
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「読み」の授業研究会(読み研)
「読み」の授業研究会は、子どもたちに深く豊かな国語の力を身につけさせるための方法を体系的に解明している国語科の研究会です。
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