全国学力調査問題の検討 2

2018年 小学・国語A 4の検討

 物語の情景描写表現を取り上げた問題である。
 はじめに述べておきたいのは、著作権の問題と思われるのだが、PDFにも示したように、引用された物語の原文の部分が白紙になっていることだ。これをみる限り、どのような問題なのかを検討することができない。新聞に掲載された時点では、原文も示されているのだが、ネット上では見ることができない。問題の可否も含めて検討をしようとしても、問題を見ることができなくてはどうしようもない。全国学力調査という日本の子どもたち全体に関わるものであり、誰もが問題を見ることができる状態にしてほしいと思う。

 それでは、問題の検討に入ろう。情景描写の一文を取り上げ、それが「特に心に残った」「理由として最も適切だと考えられるもの」を4つの選択肢から選ぶ問題である。傍線が引かれた情景描写の一文を以下に示す。

 草がそよぎをとめ、草の穂波の向うに沈む夕日が、あたり一面を火の海にしている。

 選択肢を検討していこう。この文には、登場人物のことは何も述べられていないから、「1 登場人物の行動から~」は答えから除外される。さらに「4 登場人物の会話から~」も同様に除外できる。また、音を表す表現もないことから「3 音を表す表現から~」も除外できる。
 したがって、答えは「2 景色や様子を表す表現から、コウタのいかりやくやしさが伝わってくるから。」が正解となる。
 一見、特に問題があるようには見えない。

以下PDFでご覧ください(問題もPDFで示しています)