説明的文章の読みに役立つ書籍の紹介

説明的文章の読みに役立つ書籍を紹介します。
           

石黒圭『段落論 日本語の「わかりやすさ」の決め手』
          (2020年2月29日発行 光文社新書)

〈第一部〉段落の原理
  第1章 箱としての段落
  第2章 まとまりとしての段落
  第3章 切れ目としての段落
  第4章 つながりとしての段落
  第5章 フォルダとしての段落

〈第二部〉段落の種類
  第6章 形式段落と意味段落
  第7章 絶対段落と相対段落
  第8章 伝統的段落と先進的段落

〈第三部〉段落とコミュニケーション
  第9章 読むための段落
  第10章 書くための段落
  第11章 聞くための段落
  第12章 話すための段落
  第13章 段落の未来

 文章を書くことは「引っ越し」に似ている。部屋に散らばる無数の小物をそのまま運びだし、トラックの荷台にバンバン載せていくと、あとで崩れて大変なことになる。衣類、食器、文房具、おもちゃなど、種類別にラベルを貼って段ボール箱に詰め、それを荷台に積み込むことで、効率のよい引っ越しができる。同様に、文章を書くときも、書き手の頭にある無数の「文」を、「段落」という箱に整理して入れ、順々に運び出すことが大事である。読み手の頭という新居に荷物が届いたら、ラベルを頼りに仕分けして梱包を解けば、そのまま適切な場所にしまえる。文章による情報の引っ越しは、「段落」という箱の使い方にかかっているのだ。(はじめに より)