【国語授業実践講座Q&A 】説明的文章・論理よみを行う時の「柱の段落(文)」とは、いったい何ですか。

説明的文章・論理よみを行う時の「柱の段落(文)」とは、いったい何ですか。「重要段落(文)」「中心段落(文)」とは、どこが違うのですか。

「柱」の概念は、文章内においては段落相互、段落内においては文相互の関係として捉えることができます。
「柱の段落(文)」とは、段落(文)相互の論理関係において、その段落(文)がないと文章が成立しなくなるような骨格となる段落(文)のことです。柱だけで屋根や壁がなければ建築物にはなりませんし、骨だけで肉や皮がなければ動物は生命を維持できません。柱は建築物を構造的に支える骨格であり、骨は動物が体を支えるためになくてはならない部位です。文章における段落(文)相互の関係にも、そうした骨格の役割を果たす段落(文)があるということです。
 また、いわゆる「重要段落(文)」や「中心段落(文)」も「柱の段落(文)」とほぼ同じものと考えて差し支えありません。ただし、「重要」「中心」という言葉には主観的要素が多分に含まれるため、読み手の考え方や立場によっては「重要」「中心」となる部分が一致しない可能性が出てきます。例えば、「建築物では柱と壁と屋根のどれが重要か」と問うた場合、雨が降っている日であれば「屋根が重要」、風が強い日であれば「壁が重要」となるようなものです。したがって、文章の骨格をより客観的に読みとるために、「柱の段落(文)」という用語を使うことをおすすめします。